当社の若松(マツ)の栽培から収穫までを、ご紹介させていただきます。

正月飾り用の若松(マツ)の畑は約14ヘクタールあり、国内では最大級の規模となります。 若松(マツ)の出荷は、当社がある茨城県神栖市の国内シェアで●●%あり、その神栖市では当社のシェアは●●%あるため、当社の国内シェアは凡そ●●%あると推察されます。そのため当社の畑は神栖市周辺にあり、10月~11月の収穫時期になると、それぞれの畑で同時期に収穫作業を行います。

1.収穫までの流れ

若松(マツ)の畑
若松(マツ)の畑は、神栖市周辺に●カ所もあります。植え付けから収穫までには3年もかかり、右の写真は3年目の畑です。
若松の畑
若松(マツ)の収穫
若松の収穫は、トラクターで若松(マツ)を刈るところから始まります。
トラクターには専用のアタッチメントが取り付けられており、効率的に若松(マツ)を刈ることができます。
若松(マツ)の収穫をアウル作業員
若松(マツ)の収穫の様子
刈られた若松(マツ)は、その場で4種類の大きさ別に選別し、それを束ねていきます。
刈った松を選別
若松(マツ)をトラックに積み込み
若松(マツ)をトラックに積み込み、本社工場へ搬送します。
刈った若松(マツ)をトラックに積み込み

2.若松・三光松・根引き松それぞれの作業について

若松(マツ)について

松には若松(マツ)の他に三光松や根引松、お菊の松といった様々の名前の付いたものがありますが種自体はすべて同じもの(黒松の種)になります。
植えてから収穫するまでの間の工程を変えることで形の違うそれぞれの松になっていきます。
ミゾグチファームの松の売上では7~8割は若松(マツ)によるもので、根引松や三光松の栽培、取扱もしていますが、大半は他の生産者が管理をしており年末にミゾグチファームを通じて全国の市場に出荷しています。(お菊の松、踊り三光松など)

若松
若松
三光松
三光松
根引松
根引松
お菊の松
お菊の松

種まき

毎年4月下旬~5月上旬頃に種専用の圃場に播種します。
順調に育てば一カ月ほどで発芽し始め、翌年の2月ころには移植できる程の大きさに育ちます。
2月始め頃の松植えの時期に選別を経て別の圃場に移植されれます。

小さな松

若松(マツ)を作る工程

若松の苗取り作業をする人達
若松の苗取り作業

■一本ごとの松を植える間隔は狭く植えます。(5~10㎝前後)
 1反(1000㎡)あたり凡そ70000本前後の本数を植えます。
 (農家さんよって数量は多少変わります)
 ※松は密植に植えると上に細く伸びる性質があるため、若松はこれを利用して生育しています。

■移植が終わって収穫までの間は基本農薬による病害虫の防除と草取りが基本作業になります。
(2年木のみ1月に追肥と脇枝を落とす作業が入ります)

■3年木又は4年木になった松を収穫します。 

植えた圃場の土質や収穫までの天候で松の伸びや収穫できる等級の割合が変わります。

砂地系の圃場

・穂は比較的短くなりやすく、葉と葉の間隔が狭く締まった見た目の松が取れやすい
・葉色は緑~黄緑に近い色
・収穫できる等級は下位等級が取れやすい

赤土系の圃場

・穂は比較的長く、葉も長くなりやすい 
・葉色は砂地の松より緑が濃く鮮やかな色になりやすい 
・収穫できる等級は上位等級が取れやすい

*神栖地域は砂地の圃場が多い。 隣の鹿嶋市でも若松の生産者がいるがそちらは赤土の圃場が多い。

〈 若松(マツ)の成長の様子 〉

三光松、根引松を作る工程

■種~1年木までの工程は若松(マツ)と同じ

■2年木までなったら冬のまだ根が落ち着いている時期に松を一度抜き、別の圃場に移植する
 移植ときは間隔は広く植える(50cm~80cm前後) 間隔を広く植えることで横に広がるように芽が伸びていく(防風林として使われる松はこの性質を利用している)

※一度移植することで一端根付きが浅くなるので、春頃の新芽の伸びは比較的短く緩やかになる

■5月中旬~6月位、新芽が伸びるのでそれを一度鋏む行程を入れる
(鋏む時期は弊社では7月一週目辺り)
 根がしっかり定着してなさそうな個体は翌年に持ち越す松もある
(根付きが浅い時期に芽切ることで成長を抑えすぎて枯れてしまう場合があるから)
新芽を鋏むことで切り落とした芽の横からまた新しい芽が出てくるようになる
横から新しく出た芽は切り落とす工程をふまなかった芽と比べて穂と葉の長さがより短く成長する(盆栽のようなイメージに近い)

■年末に松の成長具合や荷姿を見て出荷するかどうか決める
 残った松は翌年以降同じ作業を繰り返しながら管理していく

※この作業を毎年繰り返すと松は短く太く、枝振りもゴツゴツ見た目になる

根引松

■根引松は2年木を移植した後は基本はそのままの状態で管理していく
 (芽を鋏む工程は基本はしない)
 三光松と比べると穂の長さは長く 縦にスッとした見た目

■こちらも年末に荷姿をみて出荷するかどうか決め、残った松は同様の作業を繰り返しながら管理していく
 (途中で根引松から三光松の仕立てに変更するものもある)